API(アメリカ石油協会)規格
API規格は、省燃費性・耐熱性・耐摩耗性などエンジンオイルに必要な性能を設定したもので、SAから始まり、2020年5月に施行されるSPまでの13段階の規格があります。最新のグレードほど基準が厳しく、性能が優れています。これらAPI規格は、 EOLCS(※)によって認定され、認証品にはAPIシンボルマークが記載されます。
※EOLCS:Engine Oil Licensing and Certification System
1993年アメリカ石油協会やアメリカ自動車技術者協会、アメリカ材料試験協会、アメリカ自動車工業会などの教団体によって組織化されたエンジンオイル認証システム。
ILSAC(国際潤滑油規格諮問委員会)規格
ILSAC規格は、エンジンの小型高出力化と環境負荷低減の両立のため、日米の自動車メーカー組織が制定したガソリンエンジン用のオイル規格です。ILSAC規格はAPI規格と同様、EOLCSによって認定され、認証品にはスターバーストマークが記載されます。2020年5月に、ILSACの次世代規格であるGF-6が、APIのSP規格とともに施行されます。
エンジンオイルの次世代性能規格SP/GF-6について
ガソリンエンジンオイルの次世代性能規格である「API SP/ILSAC GF-6」が2020年5月に施行されます。SN/GF-5規格に比べ、以下の点が変更・改良されています。
省燃費性の他、エンジンの稼働で発生する不純物の除去性能が向上しており、潤滑油として高いレベルの品質を保有しています。
エンジンが長時間稼働しても粘度変化が起こりにくく、長寿命化(ロングドレイン化)しております。
小型高出力化が進む近年の高性能エンジンで発生するトラブルである、LSPI(※)やタイミングチェーン摩耗(※)を防止するための評価項目をクリアしております。
※LSPI(Low Speed Pre-Ignition)とは、低回転領域から高負荷運転をするエンジンでの、プラグによる点火前に燃料が着火してしまう異常燃焼のこと。
タイミングチェーン摩耗とは、スス・スラッジが付着してタイミングチェーンの摩耗が促進されること。

SAE(アメリカ自動車技術者協会)規格
エンジンオイルを選ぶ基準には、「性能」と「粘度」があります。性能はEOLCSによって認定されるAPI/ILSAC規格が広く使われています。粘度はSAEが定めた粘度分類が使われています。SAE粘度分類は、オイルの粘り、言いかえるとどれだけ温度変化に耐え、潤滑油としての性能を発揮できるかを示す尺度です。SAE規格は、車種、走行条件、地域特性に応じて選択するもので、単純に数値が高い(低い)ほど、いいオイルというわけではありません。